手のジストニア対象のレッスン(理論と実践)と、その周辺事情について。

 

●次回レッスン(東京) 

 

 

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現在ドイツ・ベルギーで行われている音楽家の手のジストニアに対する、機能回復の一助となる方法について情報を集めております。

 

 厳密には、何をもってジストニアとするかの判断は困難を極め、その病態生理全貌は判っておりません。実際に は、指の巻き込み・伸びきりがあれば「フォーカルジストニア」としているのが現状です。

 

音楽家のジストニア研究が始まって以来、年々進歩しているものの、すべてが解明されたと言うには 程遠い状況にあり、未だ決定的な治療方法は見つかっておりせん。

 

 

複数の要因が人によって様々な絡み方をしているのは複雑系疾患の特徴で、その症状変化を事前に正確に予測する事はでき ません。

 

加えて、楽器奏法・医療、双方の正しい知識を持った専門家は極端に少なく、神経障害と機能障害の取り違え、微 細な初期症状を心因性のみと誤診、さらに、音楽家の生活に対する想像力の不足から、診察の際に心無い言葉を投げ掛けら れるなどの例は、後を絶ちません。

 

もともと無理なテクニックや同型反復の練習、やりたくないと思いながらの楽器演奏など、大きな心理的ストレスがある時 に、長期間・長時間に渡って練習しなければならなかった等、「心理的・肉体的悪条件」が重なった時に、多くの場合、 まずは演奏中の違和感から始まります。

 

 

症状初期の典型的なプロセス

 

  1. 演奏中の違和感
  2. 練習不足勘違い                         
  3. やってはいけな猛練習
  4. 練習した事による症状の悪化

 

 

 

これに【不安感】→【あせり】【失望感・絶望感】【途方に暮れる・虚無感】などがつきまといます。

 

 

 

注意事項:違和感があったら、猛練習しては絶対にいけない!!!

 

 

 

 

 

とりあえず、すぐに自分でできる事

 

  1. 目・顎関節を緩め、口角を上げる
  2. 体を暖める
  3. 寝不足厳禁

 

 

 

基本姿勢・・・「笑う門には福来たる」(あせる・怒るは厳禁です)

 

 

しかし、実際この状況で、気分を冷静にコントロールする事は大変難しく、やってはいけない事を行ったあげく、やがて 演奏時以外で下記のような経過を経ます。

 

 

 

  1. 演奏時と似た動きの時に症状が出る。(例:PCの操作中・ボタンをはめる・コップを握る・髪を洗う)
  2. 楽器のことを考えただけで症状がでる。 
  3. 常に症状がある。  

 

 

アンプッシャージストニアの場合、患部は口唇部だけでなく、横隔膜まで含まれます。症状を顎関節症と誤診される事があり、症状の進行に従って、日常食器に口をつける時・表情の変化に違和感を感じるようになります。

 

 

 

手・口唇部の両ジストニアとも、徐々に症状範囲が広がったり、進行する事がある一方、初期症状のまま、目だった悪化も改善もない場合や、ストレスに関しては、慢性化していてその自覚がはっきりしていない場合があります。

 

 

 

患者さんの演奏レヴェルは中程度以上プロフェッショナル級、勤勉・律儀・完璧主義傾向が見られます。

 

 

 

 

 

元来、「快感・喜び」のない演奏が、演奏中は勿論の事、心身面に好ましくない影響を及ぼす事は、脳神経・認知心理学面 で、研究・証明されています。

 

 

 

ジストニアの音楽家本人の感受性・環境による症状への影響は大で、加えて、怒りや寝不足で症状が悪化する事は、珍しくありません。

 

 

 

ごく少数の人が回復していますが、回復期間は通常年数に及びます。また、Aさんに効く治療が、Bさんに効くとは言い切れず、その間の症状の変化は、個人差が大きく、経過は様々です。

 

 

 

回復期間において、ご本人が、積極的で注意深く参加しなければならない事は、言うまでもありませんが、レッスンや、お 受けになられた治療の効果・余韻を、充分に自分の中で、味わい・感じ・響き渡らせる為のゆったりした「時間」「空間」 を日常の中で獲得する事も、非常に重要なポイントであり見逃せません。

 

 

 

発症前後の患者さんの行動は、下記の悪循環に陥っている事が多く見られます。

 

 

  1. 時間・仕事に追われて、心身ともに疲弊しきっている。
  2. その生活パターンと症状があるまま、練習・仕事と、あちらこちらの医者めぐりを繰り返している。
  3. その状況のイライラから、さらにストレスが強くなり、症状の悪化をさせる。

 

      

 

また運良く、治療方法にめぐり合えたとしても、長期間に渡って仕事・学業に穴をあけたまま治療だけに専念する事は、 実際「不可能」であり、患者さんのほとんどが発症原因と症状を抱えたまま、治療と仕事を平行せざるを得なかったり、 休業・転職に追い込まれたり、途方に暮れることがよく起こります。

 

 

 

 

この為、治療期間に掛かる、経済的負担心の葛藤には計り知れない大きなものがあるのは当然です。

 

 

 

通常、患部の可動域 及び 全身の形態は変化しており、萎える・硬くなる・凹む・冷えるなどの変化があります。

 

 

 

これに対し、患部・全身を緩め、血行を良くする治療は必須です。

 

 

 

合わせて、心理面も軽く見てはいけません。もし、可能ならば精神科・心療内科の助けを求める事も一つの道です。

 

 

 

治療やレッスンによる症状の変化は、非常に長いスパンで、極めてゆっくりと変化します。早く良くなりたい患者にとって 費用と時間を掛けて「待つ」というのは、大変つらいことです。ストレスやあせりのある時には、このような微細な変化 は、さらに感知しにくくなります。

 

 

しかも、これら総てのレッスンと治療は、回復への後押しであり、方向を示してはくれますが、演奏復帰への道は、たとえ それが困難なものであっても、確かめ・味わい・探り歩み、少しずつの変化を忍耐しつつ、時間を掛け、継続しなければならない地道な学習の道」です。

 

 

 

症状がきれいに取れずに、補償運動を含んだまま条件付で演奏が可能になる事もありますが、この場合、問題がすっかり解 決している訳ではありませんので、引き続き、要注意が必要です。

 

 

 

どの程度の回復で満足・納得するのか、どの状態で、 演奏を含む生活・人生に折り合いをつけるのかは、患者さん本人次第です。

 

 

 

「症状の軽重」と「悩みの深刻さ度合い」は、まったく一致しません。

 

 

 

一見健康そうに見える、このような音楽家にとっ て、身近に心の支えとなってくれる人がいることは、大きな「助け」となります。

 

 

 

本来は定期的に治療・レッスンに通われる事が望ましいのですが、治療やレッスンを行える人は限られており、相当の長期 間にわたって通い続ける事は、地理的・費用の面で容易ではありません。

 

 

 

このような患者の置かれている状況と上記に述べ た事を踏まえ、治療・回復訓練の方向を示す為に、音楽家生理学と奏法についての個人レッスンを行います。

 

 

 

 

 

〔レッスン内容の概略〕

 

  • 初回・・・・・・治療方法の選択・奏法・生活全般における注意事項・対処方法について。
  • 2回目以降・・・初回の内容を基に、治療の進度に応じた奏法についての説明・実践。

 

 

 

南ドイツでのレッスンは、常時行っております。

 

 

 

 

 

詳細については、Mailにてお尋ねください。

 

 

 

 

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草間 律